ばね指
ばね指は、女性に起こりやすく、仕事などで手指をよく使う人にも多く見られます。症状としては、指の付け根の下あたりに痛みが出る、指が曲がったまま戻りにくいといったことが起きます。
発症の原因は、手指の使い過ぎによる腱鞘炎の繰り返しです。腱鞘が度々の炎症で肥大するようになると、腱が引っ掛かるようになり、痛みを起こしたり、指がスムーズに動かなくなります。多くは親指・薬指・中指などに発症します。このような腱の動きによる摩擦で炎症を起こす疾患は狭窄性腱鞘炎と呼ばれ、このばね指やドゥケルバン腱鞘炎は、狭窄性腱鞘炎の代表的な症状です。
当院での治療は、ステロイド注射による薬物療法が基本で、再発を繰り返す場合は局所麻酔による「日帰り手術」も行っています。手のひらの腱鞘を1cmほど切る手術で、所要時間は10分程度です。
手根管症候群
正中神経が働くとされる片手もしくは両手の親指から薬指の半分くらいまでの手のひら側の箇所にしびれやチクチクした痛みが現れ、これらの指を使う動作がしづらくなるほか、症状が進行すると物をつかむ力が弱まり、親指の付け根の筋肉が萎縮するようになります。なお、しびれについては首の神経の狭窄による場合も考えられますので、診断は正確に行います。
原因としては、何かしらの原因により正中神経が手首の神経の通り道(手根管)で圧迫されることで様々な症状が起きると考えられています。なお女性患者が多いのも特徴で男性患者の約4~5倍いると言われ、女性の中でも妊娠期と閉経期の女性が多いと言われています。このほか、手首を酷使する職業やけが、腫瘤で発症することもあります。
手根管症候群の治療ですが、当院では薬、注射などによる薬物療法が基本です。それでは改善が困難な場合は、局所麻酔による「日帰り手術」も行っています。これは手のひらを2~3cmほど切る手術で、所要時間は15分程度です。
舟状骨骨折
手首の関節にある8つの手根骨の1つで親指の付け根側にある小さな骨が舟状骨で、スポーツや交通事故などで手首を背屈(甲側に曲がること)して手をついた際に生じる骨折が舟状骨骨折です。発生直後は、手首の母指側に痛みと腫れが生じますが、時間の経過とともにこれらの症状は落ち着くようになります。
ただ、このけがは骨折とは思わず、捻挫と思ったまま放置することが多く、その場合は骨がつかずに偽関節(骨折した骨がつかずに関節のように動いてしまうもの)となることがあります。そうなると、手をついたり重いものを持ったりした時などに手首に痛みが生じ、力が入らなくなり、動きも悪くなってきます。
舟状骨骨折は治るまでギプスで固定する必要があり、偽関節となった場合は手術で固定するといったことを行う必要があります。
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
ばね指と同じ狭窄性腱鞘炎の一種で、親指に発生する腱鞘炎です。ドケルバン病とは、手首の親指側にある腱鞘とその間を通過する短母指伸筋腱と長母指外転筋腱に炎症が起きることで、主に手を使うスポーツや指の使い過ぎにより起こると言われ、なかでも妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じると言われています。
炎症が起きると、腱鞘の部分で腱の動きが円滑でなくなるほか、手首の親指側が痛むようになり、腫れもみられるようになります。さらに親指を広げたり、動かしたりすると強い疼痛を感じるようにもなります。
治療法としては、まず局所の安静をはかり、刺激を少なくすることに努め、ステロイド注射で痛みや腫れを抑えます。このような保存療法では症状が改善しなければ、原因となっている腱鞘を切る手術療法が行われます。
母指CM関節症
親指(母指)には3つの関節があり、手根骨の1つである大菱形骨と中手骨からなる、手首に一番近い関節のことをCM関節(手根中手関節)と言います。母指CM関節症は母指の付け根の関節で起こる変形性関節症のことを指します。この疾患は関節の表面を覆っている軟骨が加齢や使い過ぎによりすり減っていくことで起こると考えられています。
症状としては、親指に力を入れる動作をすると、親指の付け根付近の手首が痛みます。進行すると膨らんできて、母指が開きにくくなったり、母指CM関節が亜脱臼することで変形がみられる症状が現れたりします。
40~50代の中年の方によくみられ、比較的女性に多く発症します。治療では、これ以上変形が進まないようにする治療が行われ、痛みや腫れを抑えるために消炎鎮痛剤や湿布を処方したり、CM関節の保護による固定装具や固めの包帯を巻くことで、動きを制限します。
ヘバーデン結節
手の指の第1関節に起きる変形性関節症です。40歳代以降の女性に発生することが多く、はっきりした原因はわかっていませんが、加齢であること、また家事や仕事で指先を使うことが一因ではないかと言われています。
主な症状ですが、最初は指の第1関節に痛みや腫れが現れます。とくに力を入れる際に痛むことが多いです。痛む指については1指のこともあれば複数のケースもあるなど様々です。やがて進行すると安静時でも痛みが生じ、指の変形や発疹のような隆起が見られるようになります。なお隆起については、水ぶくれのようなもの(ミューカスシスト)が生じることもあります。これを除去する場合は細菌感染することもあるので、消毒をきちんとする必要があります。
痛みや炎症が強い場合は消炎鎮痛剤を塗布します。また、水ぶくれ状のものが頻繁に発生したり、指先に力が入りにくい、変形を矯正したいという場合は、手術療法を行うこともあります。
ガングリオン
手首や手の甲、指、膝などの関節上によくできるゼリー状の物質が詰まった良性の腫瘤です。この腫瘤は、軟らかいものから硬いものまで様々です。多くの場合無症状ですが、ガングリオンが神経の近くに発生した場合は、神経を圧迫するようになり、しびれや痛みなどの症状が起きることがあります。女性の方が多いのも特徴で、男性と比べると患者数はおよそ3倍です。
とくに無症状であれば放置でも問題ありません。ただし、大きくなるようだったり、痛みが強かったりするような場合、また神経が圧迫されて神経症状が伴うといった場合は、ガングリオンを摘出する手術のほか、注射器で中身を吸引する吸引療法、ステロイド薬を使用する薬物療法などを行います。
医院概要
- 医院名
- 医療法人社団裕正会
おおい宮本整形外科 - 診療科目
- 一般整形外科、スポーツ整形外科、小児整形外科、 リハビリテーション科、リウマチ科、骨粗しょう症、 ロコモティブシンドローム、痛みの治療、予防接種
- 指定等
- 保険医療機関(各種健康保険取扱い)
自賠責保険取扱い(交通事故)
労災保険指定医療機関
生活保護法指定医療機関 - 所在地
- 〒140-0014 品川区大井二丁目1-1
大井2丁目メディカルセンター2階 - アクセス
- JR大井町駅より徒歩5分
- 電 話
- 03-3787-2323
- 休診日
- 日曜・祝日
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 |
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9:00~12:30 | ◎ | ● | ◎ | ● | ◎ | ◎ | ― |
14:30~18:00 | ◎ | ● | ◎ | ― | ◎ | ― | ― |
担当医師:◎ 宮本 ● 大隈
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